英国と日本の防衛協力の強化
英国と日本は、英国軍と自衛隊の防衛協力を強化する新しい協定に署名しました。
2017年1月26日、英国と日本は日・英物品役務相互提供協定(日英ACSA)へ署名をしました。今後、国連平和維持活動や人道的な国際救援活動などを含む様々な活動において、英国軍と自衛隊の連携が効率的に行われることが期待されます。
本協定の策定は、航空自衛隊と英国空軍により昨年行われた初の日英戦闘機共同訓練の成功に続くもので、英国と日本の防衛協力のさらなる深化を象徴するものです。
本協定は、英国軍と自衛隊との間で物品・役務の共有を効率的、かつ円滑に行うための枠組みであり、これまで個々の協力事案へ設けられていた合意を今後は不要とするものです。
英国外務省で行われた署名式において、ボリス・ジョンソン英国外務大臣は、
「英国にとってアジアで最も緊密な安全保障上のパートナーである日本と、国際安全保障、安定及び繁栄を促進するために協力していきます。また、ルールに基づく国際秩序を尊重する国家として、日英が力を合わせ、国際的および地域的な課題や脅威へ一緒に取り組んでいきます。」と述べました。
また、マイケル・ファロン国務大臣は、
「日本は英国にとって重要なパートナーであり、本協定の締結により、装備品、補給品及び役務等の相互提供により、作戦及び演習実施時の更なる連携が可能となります。英国が世界に目を向けている中、我々の友人である日本に寄り添い、利益と課題を共有していきます。本協定により国際的な脅威に立ち向かうことで、英国をより安全で確固なものとなることを期待します。」と本協定を歓迎しました。
日本政府を代表し協定に書名した鶴岡公二駐英日本大使は、
「法の支配及び民主主義といった基本的価値観を共有する密接なパートナーである英国との本協定の締結は、日本にとり安全保障及び防衛関係において重要な節目となります。日英両国は安全保障及び絶えず変化する世界情勢における国際的な課題に協力して取り組んでいきます。」と述べられました。
関連情報
署名時の写真は英外務省Flickr でご覧いただけます。
日・英物品役務相互提供協定(日英ACSA)は、2016年1月の日英外務防衛閣僚会合(2+2)において、締結に向けた合意がなされました。この日英外務防衛閣僚会合(2+2)で日本は、2016年10月に英国空軍のタイフーン戦闘機を迎え入れ、米国以外の安全保障上のパートナーと共に歴史的な合同空軍演習を実施することにも合意しました。
日英の防衛安全保障協力は、ますます強化されています。英国と日本は今後も、特にミサイル技術の分野に焦点を当て、新しい防衛技術を開発し続けます。また2016年には、日英の第三国での協力が、東南アジアからアフリカへと発展しました。
日本が2020オリンピック・パラリンピック競技大会主催の準備を進めるにあたり、日英のサイバーセキュリティーの分野での協力も発展しています。今年1月には日本の丸川五輪担当大臣が、2012ロンドンオリンピックで英国が培ったサイバーに関する専門知識と、大規模なスポーツイベントを運営する際の英国の危機管理の経験について意見交換をするため、英国を訪問しました。